獣医 ＞ 循環器 ＞ 不整脈完全網羅テクニック ～7つの症例解説とベーシックデモ～

犬の不整脈は、珍しい症状ではありません。人間であれば脈の乱れは異常と判断できますが、犬の場合は、呼吸に合わせて脈にバラツキが出るのが当たり前です。そのため、不整脈があっても、とくに深刻な問題とは考えていないかもしれません。

それでも飼い主さんが心配する場合は、念のため超音波検査をおこない、異常所見がなければ大丈夫。とりあえず、経過観察をするといった診察が多くおこなわれています。

しかし、超音波検査では不整脈の重篤度を特定できません。超音波検査で異常所見がないからと放ったらかしにした結果、不整脈の重篤度が進行し、手遅れになる症例も少なくありませんが…

不整脈の重篤度を突き止めるには、心電図が必須です。心電図は導入率の高い機器ですので、きっと先生も心電図装置をお持ちだと思います。

では先生は、日々の診療に心電図を活用できていますか？ 心電図は、大学の授業では十分に学ぶ機会が少ないため、使いこなすには、卒後にご自身で学ぶしかありません。そのため、病院に心電図装置は導入していても、使いこなせずにいる獣医師がたくさんいらっしゃるようです。

しかし、不整脈の重篤度の特定に必須である以上、心電図を使いこなせずにいることは、生命にかかわる不整脈を見落とすリスクを抱えたままでいるのと同じと言えます。

この教材のテーマは、「不整脈診断と治療の実践」です。一次診療施設の先生が、不整脈の重篤度を正しく診断し、適切な薬剤を用いて治療できることを目的にしています。「実践できる」ところが、大きなポイントです。

この教材の優れているところは、「学んだ知識を実際にどう活かせば良いのか？」、その答えとして、福島先生による「心電図評価の実演」を7症例分、収録しています。

実演では、不整脈を引き起こしている重篤度をどのように特定するのか、その一連の手順をご覧いただけます。これは、他では絶対に見られない貴重な映像です。