獣医 ＞ 循環器 ＞ 明日からできる！犬の弁膜症治療戦略 -2024-

内容紹介

なぜ、弁膜症の治療はACVIMガイドラインだけでは不十分なのか？

講師

ポイント

※「弁膜症治療」を学ぶドクターが増えていますが…

近年、弁膜症治療の重要性がますます高まっています。

先生も、日々の臨床で僧帽弁閉鎖不全症（MR）や粘液腫様僧帽弁疾患（MMVD）を診断するケースが増えたと感じているのではないでしょうか？

日本で人気の高いチワワやトイプードル、マルチーズなどの小型犬は、弁膜症の好発犬種であることが知られており、心疾患は小型犬の死亡原因の第1位は心疾患です。

高齢犬ほど発症率が高くなりますので、長生きの犬が増えている今、弁膜症の診療技術は「全獣医師必須である」といっても、決して大げさではありません。

犬と飼い主さんのQOLを維持するためにも、また、発見が遅れてしまい重症化する犬を減らすためにも、弁膜症を学ぶことは重要ですが…

※「どう治療すればいいのか？」

先生は、こう悩んだ経験はありませんか？

弁膜症は、症例数の多いとてもポピュラーな心疾患であり、ACVIM（米国獣医内科学会）ガイドラインに沿って治療をおこなうのが一般的です。

しかし、ガイドラインが治療に必要な知識を100％すべてカバーしてくれるわけではありません。

また、重症度や基礎疾患の有無により推奨される治療方法も異なるため、「今すぐ治療をスタートするべきなのか？」「とりあえず、ピモベンダンを投与すればいいのか？」「いきなり急変しないだろうか？」など、自信を持てないまま弁膜症を治療しているドクターも多いと聞きます。

薬剤の選択はもちろん、投薬のタイミングや用量などを間違えると、症状を悪化させたり、突然死の原因となることもあります。

だからこそ、常に情報をアップデートし続け、間違いのない治療をおこなうことが重要なのですが…

※ガイドラインの枠を超えた「最新の治療戦略」

本教材では、ACVIMガイドラインに「＋α」することで、いま以上に弁膜症の治療成績をアップする方法を学べます。

しかしこの方法を活かすには、ACVIMガイドラインを理解し、ガイドラインに沿った治療ができることが前提となります。

最初のガイドラインは、2009年に発表されましたが、そのあと2019年に大幅に治療戦略を変更した改定版が発表されました。

ですから、「2009年版は勉強したけれど、2019年度版はまだ目を通せていない」という先生もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、2009年度版と2019年度版のACVIMガイドラインを比較しながら、MRのステージAからDまでの各ステージごとの治療戦略を、青木先生のわかりやすい解説で学べるよう構成しました。

さらに、ACVIMガイドラインには書かれていない「弁膜症の治療成績をアップさせる秘訣」を青木先生のわかりやすい解説で学べます。

症例数の多い弁膜症だからこそ、間違いのない「最新の治療戦略」を学んでおきませんか？

• 最初に押さえておきたい病態生理学
• ACVIMステージの基礎知識
• 6,102頭のMMVD症例からわかった新事実
• MMVDと突然死の関係とは？
• 知っておきたい肺水腫の基礎知識
• 心不全（肺水腫）と咳の関係とは？
• VLASを理解するポイント
• 呼気性喘鳴の理解に最適な犬の症例
• 激しい咳が止まらない犬の症例
• ステージB（B1、B2）の治療のポイントと注意点
• ステージB2の診断基準とは？
• ピモベンダンに関する重要な論文
• 高用量ピモベンダンは、本当に有用なのか？
• ファンタスティック4とは、何か？
• MRの他に基礎疾患のある犬の症例
• 飼い主さんの質問への適切な回答
• ステージCの治療のポイントと注意点
• フロセミドの効果的な使い方とは？
• 強心薬は、どう使えばいいのか？
• 犬にhANP（ハンプ）は有効なのか？
• 2群にシルデナフィルは危険なのか？
• ステージDの治療のポイントと注意点
• 左房破裂の症例に、どう対応するか？
• 犬の僧帽弁装置の解剖学
• 人工心肺装置を使うときの注意点とは？